筆者は副業として、1年以上せどりに取り組んできました。 せどりは商品リサーチが一番の肝と言えます。
同じようにせどりを始めたばかりの方は、商品リサーチの具体的な方法がわからずに苦労しているのではないでしょうか。
私もそうでした。・・・というか現在も効率的な商品リサーチができているとは言えず、非常に時間がかかっています。
商品リサーチの効率化ついては別記事で検討しようと思っています。
今回は商品リサーチの具体的な方法について、私がせどりを始めたころに悩んだ内容を踏まえつつ解説していきたいと思います。
ちなみに今回の販路はAmazonを想定しています。
仕入れ基準の考え方
まずは仕入基準の考え方について解説していきます。
仕入基準① 見込収支がプラスであること
仕入判断基準の一つ目は、「見込収支がプラスであること」です。 見込収支がマイナスの場合はすなわち赤字なので、仕入対象外となります。(当然ですよね)
ここで考えなくてはならない要素は仕入価格、販売手数料、見込販売価格の3つが挙げられます。 見込収支は、以下の通り計算できます。
見込収支は見込販売額に影響されます。 見込販売額はその時々によって変動するので、余裕を持った金額を設定する必要があります。
金額だと商品価格によって乖離が激しいので、一般的には利益率を使用します。
利益率は、仕入価格に対する見込収支の割合です。 つまり、仕入にう金がどのくらい働いてくるのか示す指標となります。
私の場合は利益率10%以上を仕入基準としています。
ポイントせどりの場合はポイント計算が複雑となり、利益がわかりづらくなります。 ポイント付与条件やポイント上限を意識して、正しく利益計算を行いましょう。
私も過去にポイント上限を意識せず仕入れを行ってしまい、そこそこの赤字を出してしまったことがあります。
仕入価格
仕入価格はそのままの意味で、その商品を仕入れる際の価格です。
送料が別途かかる場合は仕入額に含めて考えます。
ポイントせどりの場合、獲得見込みポイントを差し引いた金額を仕入金額として考えます。
蛇足ですが、帳簿付けのときには仕入に使用したポイントを商品金額から差し引く必要があり、考え方が違うので注意してください。
販売手数料
販売手数料は、仕入れた商品を販売するのにかかる経費にあたります。
代表的なものは以下が挙げられます。
- 送料
- プラットフォームの販売手数料
- 梱包資材費
プラットフォームの販売手数料は、例えばAmazonの成約料、販売手数料、FBA手数料、メルカリやヤフオクの手数料等が挙げられます。
梱包資材費は段ボールやテープ等の梱包資材にかかる費用です。
見込販売価格
見込販売価格はそのままの意味です。
仕入時点では売り上げはたっていないため、販売価格ではなく「見込販売価格」としています。
仕入基準② よく売れる商品であること
仕入基準の二つ目は、「よく売れる商品であること」です。
いくら利益がでるからといっても、実際に売れる商品でなければ捕らぬ狸の皮算用となってしまいます。
この仕入基準についても過去にやらかしたことがあります。 見込利益率が15%に目がくらんで、月に1,2個しか売れていないような商品を仕入れてしまいました。
1か月以上売り上げが立たず、クレジットカードの引き落とし日が近づいてきてしまったため大きく値下げをして売り抜けました。もちろん赤字です。
現在は毎月30個以上売れていることを仕入基準としています。
仕入基準③ 出品可能な商品であること
仕入基準の三つ目は、「出品可能な商品であること」です。
プラットフォームによっては出品制限のかかった商品があります。 最近だとマスクや消毒薬が出品不可になったことが記憶に新しいです。
また、Amazonの場合には出品許可が下りないと出品できない商品というものがあります。 カテゴリやメーカー単位で出品制限がかかっており、出品申請が通れば出品できるようになります。 例えば食料品カテゴリや、バンダイ・ソニー・任天堂などのメーカーには出品制限がかかっています。
出品できない商品を仕入れても売れないので気を付けてください。
ちなみにAmazon出品制限の解除には仕入れ実績の証明となる書類(請求書)か、メーカーからの販売許可書類が必要です。
「以前までは出品できていたのに急に出品できなくなる」ということもあります。 私はこのパターンにはまり、仕入れた商品を別の販路で時間をかけて売るという羽目になりました。
仕入基準④ 売っても問題ない商品であること
仕入基準の四つめは、「売っても問題ない商品であること」です。 「仕入基準③と何が違うんだ?」と思った方も多いかと思いますので解説していきます。
これは主に販路をAmazonとした場合に当てはまります。
商品によっては、メーカーや販売代理店が販売を独占、または商標登録している場合があります。 このような商品を販売してしまった場合、真贋調査の対象となり最悪アカウントが閉鎖されてしまいます。
また、偽物が多く出回っている商品を若いアカウントで出品してしまうと、真贋調査対象になりえます。
その外にも、医療品や危険物など、販売資格が必要ものもあります。 輸入品なども場合によっては法的に売れないので、注意が必要です。
仕入基準⑤ 価格が大きく下がらない商品であること
ブログなどで利益商品として発信された商品にはせどらーが一気に群がる傾向があります。 その結果供給が需要を上回り、売り抜けようとする人たちで値下げ競争が始まります。
回転率のいい商品であれば数か月も待てば元の価格水準に落ち着きますが、そうでない場合は悲惨なことになります。
商品リサーチ方法
それでは具体的な商品リサーチ方法に移ります。
今回はショッピングサイトを仕入先とする電脳せどりの場合とします。
商品リサーチに必要なツール
商品リサーチを行うにあたり、必要なツールがあります。
それはChromeブラウザとKeepaというプラグインです。
ChromeブラウザはGoogleが開発しているブラウザです。 KeepaはChromeブラウザのプラグインで、Amazonの商品ページに最安値やランキングのグラフを表示してくれるというものです。

Keepaは無料でも使えますが、表示できる内容に制限があります。 経費と割り切って有償版を使いましょう。 月額15€、日本円にすると大体2,000円くらいです。
他にも導入するとリサーチが効率化できるプラグインもありますが、最初は上記二つだけで大丈夫です。
セラーリサーチによる候補商品の探し方
まずは、リサーチ対象となる候補商品を探します。
おすすめはせどりブログなどで紹介している商品からのセラーリサーチです。 まず、「せどり」「利益商品」などのキーワードで検索します。
すると、利益商品を紹介しているサイトが出てくると思います。 その中から適当商品を選んで、Amazonで商品ページを探します。
紹介されている商品を仕入れるわけではありません。 ブログなどで紹介された商品にはせどらーが群がる傾向にあります。 このような商品は値下がりの危険があるため、仕入れない方が無難です。
せどりブログで紹介されている商品を仕入れているのはせどらーである可能性が高いと言えます。 そしてせどらーが扱っている商品は、せどりで利益が出る商品ということです。
つまり、すでに実績を上げている他のせどらーから商品リストを頂く手法であり、これをセラーリサーチと呼びます。
Amazon商品ページの価格下あたりに、「新品(〇)点」といった記載があるのでクリックします。

するとその商品を扱っているセラーの一覧が表示されます。
評価が少ないセラーはせどり初心者のため参考にならない場合が多いです。 逆に、評価が多すぎる場合はせどらーではなく小売業社の可能性が高まります。
評価が100件~1000件の範囲内のであればせどらーである可能性が高いです。 上記判断基準からセラーを選び、「ストアフロント」というリンクをクリックします。
するとそのセラーが扱っている商品の一覧が表示されます。 これが仕入候補商品となり、片っ端からリサーチしていく形になります。
良い商品を扱っているセラーを見つけたら、ストアフロントをブックマークしておきましょう。
相場価格と売れ行きを調べる
商品を一つ選んで相場価格と売れ行きを調べます。
Keepaを有効にしていればAmazonの商品ページにグラフが表示されるようになります。 3つのグラフが表示されますが、見るのは一番上のグラフです。

見るのは紫色と緑色の線です。
紫色の線が「セラーの出品価格」で、セラーの出品価格の最安値です。
緑色の線が「売れ筋ランキング」で、商品の人気をランキングで表しています。 Amazonのランキングは、商品が売れると上がり、売れない期間は下がっていきます。
ランクが上がる、すなわち商品が売れるとグラフは下に落ちます。 つまり、グラフが落ちた回数を読み取ればどのくらい売れているかがわかります。
このグラフからは以下のことが読み取れます。
- 4,000円付近では非常によく売れている
- 2月25日頃に在庫がだいぶ掃け、一時的に4,500円付近まで上昇している
- 価格が上昇している期間は、あまり売れていない
- 3月2日頃に痺れを切らした出品者が値下げを敢行
- 値下げ後の売り上げは好調
- 現在では以前の4,000円付近まで戻ってきている
この商品は4,000円前後であれば問題なく売れることがわかりました。
ちなみに黄色い線は「Amazonの出品価格」です。 Amazonがいる商品はカートを取るのが難しいため、慣れないうちは仕入れない方が無難です。
ライバルの多さを調べる
販売されている同じ商品の扱っているセラー数、すなわちライバルがどのくらい多いのか調べます。
3つ目のグラフを見ます。

紫色の線が同じ商品を扱っているセラー数です。
徐々に低下してきており、現在は10人くらいということが読み取れます。 月に50個は売れる商品なので、5個くらい仕入れても1か月以内に全て売り切れそうです。
過去のグラフからみても、現在はライバルが少ない状況であり仕入れのチャンスといえます。
仕入先を探す
同じ商品を楽天・Yahoo!ショッピング・Wowma等で探します。 ヤフオクやメルカリでの仕入れはお勧めしません。 たとえ未使用品であっても個人からの仕入れは中古扱いとなり、古物商の許可が必要となります。
Amazonの販売価格よりも大体20%以上安いことを条件に商品を探します。 なぜかというと、Amazonの販売手数料やFBA手数料を合計すると大体20%くらいになることが多いからです。
販売手数料は商品カテゴリによりますが、ほとんどの場合8~15%になります。 FBA手数料は商品の大きさによって変わります。 実際にいくら手数料がかかるのかはこの後の手順で確認できます。
見込み利益を計算
AmazonのFBA料金シミュレーターを使って見込み利益を計算します。 ※FBA料金シミュレーターを使うには事前にセラー登録が必要です
まずはAmazonの商品ページの登録情報にある「ASIN」という文字を探します。

ASINというのは商品に割り当てられた固有のコードです。 この商品の場合ASINは”B001WAL4IO”となります。
次にブラウザでFBA料金シミュレーターを開きます。 ASINの入力欄があるので、先ほど調べたASINを入力して「検索」ボタンを押します。

金額の入力画面が表示されます。 今回はFBAから発送するので、「Amazonから出荷」の方に金額を入力します。
「商品価格」(販売価格)は4,000円とします。 今回は「Amazonへの納品」は0円のままとしていますが、ここは実際の送料に置き換えてください。 商品原価はショッピングサイトのリサーチで見つけた商品の仕入価格を入れます。

「計算」ボタンを押すと利益額と利益率が表示されます。
今回の場合、利益額が176円、利益率は4%です。 利益率4%と小さいので、私なら仕入れません。 Amazonへの送料を考慮した場合、赤字となる可能性もあります。
この手順をひたすら繰り返す
今回は残念ながら利益が小さかったため仕入れは見送りでした。
この手順をひたすら繰り返すことにより、運がよければ利益商品を見つけることができます。 最初のころは100商品リサーチして1商品見つかれば良い方です。
ひたすらリサーチを続けるうちに商品知識がついてきて、相場観が身につきます。 そうなるとリサーチ効率は何倍にも跳ね上がります。
最後に
今回は筆者が1年以上かけて身に着けてきた知識について書かせていただきました。
商品リサーチは泥臭い作業ですが、やればやるほど実力が付いて成果が出せるようになります。 序盤にどれだけ踏ん張れるかが肝心です。
商品リサーチはとても根気のいる作業です。 私も1年近くやっていますが、まだまだ効率化できている実感は少ないです。
現在Amazonの商品情報から現在価格やASINの情報を取得する仕組みについて勉強しています。 Amazon MWSを使えば実現できるみたいなので、商品リサーチに役立つ情報取得ツールを開発したいと考えています。
得られた知識や開発したツールの使用感などは追々公開していきますので、気長に待っていていただけると嬉しいです。
この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。